身体の60~65%は水分です。

水は私たちの体にもっとも多く含まれる物質で、生命活動をサポートしています。
成人の体の55~60%を水分が占めていて、その中でも主に脳、腸、腎臓、筋肉、肝臓などの臓器・組織中の水分含有量は80%と比較的多いです。
それに引き換え、脂肪組織(皮下組織)は中性脂肪が多いので、水分含有率は約33%と低いです。
女性は男性に比べると脂肪量が多いため、水分含有率は約55%と少ないのはそのためです。
高齢者は加齢とともに実質細胞数が減るため、成人よりも水分含有量が減り約50%です。

水は一日にどれくらい必要か?

水は一日どれくらい飲めばよいのでしょうか。
欧米の研究の成果によると水の必要摂取量の目安は1日2.3リットルから2.5 リットル程度、激しい運動や高温の場合で1日3.3リットルから3.5 リットル程度と推定されています 

水を飲まないとどうなるのか?

人の体は食べ物がなくても、水さえあれば一か月近く生きることができます。しかし、水が1滴も飲めないと、2~3日で生命維持は困難となります。

体から水分が1%の損失で、のどの渇き、2%の損失ではめまいや吐き気、食欲減退などが現れます。
そして10~12%の損失では筋けいれん、失神、20%の損失では生命の危機になり、死に至ることもあります。
体の水分が不足すると、脱水状態になり、血液中の水分も減少させている状態であり、血液がドロドロ状態になっています。

ドロドロの血液は血管内に「血栓」を作りやすくしますが、脳血管を詰まらせてしまうことで起こるのが脳梗塞、冠状動脈を詰まらせてしまうことで起こるのが心筋梗塞です。

体内の水分量を保つことは、健康維持や美容だけの問題ではなく、命そのものにもかかわる重大なことです。
脱水症状に気を付け、こまめに水分補給することが大切です。

汗をかいたときには水分補給を心がけましょう

沢山汗をかいてしまった時は、汗によって出てしまった量に見合った水分を摂取する必要があります。
しかし、水分を摂取してもそれが体に浸透するのに20分ほどかかります。
一度にたくさんの水分を摂っても、体はうまく吸収することができません。

つまり、水分はこまめに少しずつ、のどが渇いたと感じていなくても意識的に摂ることが大切なのです。

厚生労働省では「健康のために水を飲もう」推進運動として、就寝中の水分不足に備えて、夜寝る前と朝起きた後、それぞれコップ1杯ずつを飲むことを推進しています。

枕もとに水差しを置いておくのも良いでしょう。

そのほか特に水分補給が必要とされるタイミングとして、スポーツ中及びその前後、入浴前後が挙げられています。
夏の日中など汗をたくさんかいた際には、しっかりと水分補給して、脱水症状に気を付けましょう。